太陽光発電の効率に影響大!発電量のあれこれ

太陽光発電の発電量は節電や売電の効果に直接影響するため、知っておきたい知識です。発電量について理解することでより正確なシミュレーションを行うことができます。これから太陽光発電の導入を検討している方は、ぜひ覚えておきましょう。

太陽光発電の発電量を把握することの重要性

太陽光発電導入の主な目的は、節電や売電による経済的効果です。決して安くはない太陽光発電システムですが、長期的に見て経済的にプラスになるよう、発電量の効率をなるべくよくしたいものです。期待していたほどの効果が出ず、経済的メリットが低下してしまうだけならまだしも、導入コストの回収もできない状況は避けたいものです。

そのため、太陽光発電システム導入の前には基本的にシミュレーションを行いますが、業者によっては悪意のあるなしにかかわらず、実際より多くの発電量が出るようなシミュレーションを出すこともあります。そういった業者に惑わされないためにも、発電量について理解しておくことが重要です。

また、すでに太陽光発電を導入している場合でも、電気代削減効果や売電収入の目安を理解することで、家計のやりくりがしやすくなります。

太陽光発電の発電量は一定ではなく、さまざまな要因に左右されます。特に経年劣化による発電量の低下を理解することは、メンテナンスのタイミングを考える際に参考になるでしょう。太陽光発電システムはメンテナンスを行いながら長期的に運用していくため、導入後も発電量については注意を払うことが必要です。

太陽光発電の発電量の単位について

太陽光発電の発電量にはkW(キロワット)とkWh(キロワットアワー)の2つの単位があり、混同してしまうと発電量の正確な把握ができなくなってしまうため、違いについて説明していきます。

kW(キロワット)とは「瞬間的に発電する電気の大きさ」および「瞬間的にどれくらい発電する能力(出力)を持っているか」を表しており、太陽光発電の設置容量にはこちらの単位が用いられます。設置容量には「太陽光パネルの容量の合計」と「パワーコンディショナーの容量の合計」の2種類が存在するため、気付かずに太陽光パネルとパワーコンディショナーの容量を比較していたといったことにならないよう、区別して考えましょう。

kWh(キロワットアワー)とは実際の発電量を表しており、1kWの発電を1時間続けることで得られる発電量が1kWhです。kW(キロワット)は実際の発電量ではなく、kWh(キロワットアワー)が実際の発電量であることがポイントです。シミュレーションなど発電量の計算が必要な際には、このkWh(キロワットアワー)を用いることになります。

太陽光発電の発電量の計算について

発電量をより正確に計算するためには、専門業者やシミュレーションツールの利用が有効です。自分で太陽光発電の発電量を計算することには限界があり、誤差や予期せぬ赤字が生じるリスクがあるため、実際に発電量を計算する際は業者への依頼か、ツールの利用をおすすめします。

しかし、発電量の計算方法について理解しておくことで、太陽光発電の効率を上げることにつながるため、どのように発電量が導き出されるのか簡単に紹介します。

発電量の計算方法

1日あたりの予想発電量=1日あたりの平均日射量×損失係数×システム容量÷1

1年あたりの予想発電量=1日あたりの平均日射量×損失係数×システム容量×365÷1

簡潔に言えば、太陽光発電による発電量×システムのロスによって予想発電量を求めることができます。損失係数とは発電量を下げる要因のことであり、気温が25度を超える場合や、パワーコンディショナーで変換する際に生じるロス、経年劣化による発電量の低下などがあげられます。

発電量の目安

発電量の目安を知っておくことで、売電収入がどれくらい入ってくるかなど収益の算出がしやすくなります。 

日本では、あくまで目安ではありますが、前項で紹介した計算式に、東京の日射量データをあてはめて計算し、季節ごとにどの程度差があるのかを確認します。

損失係数には複数の損失要因がありますが、計算をするうえでは日本で一般的に使用されている0.85を使用し算出します。

東京の平均日射量<気象庁日射量データ2000~2019年から算出>

  • 春季 4.46 kWh/㎡/日
  • 夏季 4.43 kWh/㎡/日
  • 秋季 2.88 kWh/㎡/日
  • 冬季 2.73 kWh/㎡/日

参考:https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=44&block_no=47662&year=&month=&day=&view=p3

春季の場合
4.46kWh/㎡/日×約85%×1kW÷1kw/㎡ = 3.79kWh/日

夏季の場合
4.43kWh/㎡/日×約85%×1kW÷1kw/㎡ = 3.76kWh/日

秋季の場合
2.88kWh/㎡/日×約85%×1kW÷1kw/㎡ = 2.45kWh/日

冬季の場合
2.73kWh/㎡/日×約85%×1kW÷1kw/㎡ = 2.32kWh/日

同じ東京でも発電量の一番多い春季と少ない冬季では一日当たり1.47kWhの差があることがわかります。

太陽光発電の発電量の計算における注意点

太陽光発電の発電量は導入するシステムの種類だけでなく、地域や季節、時間帯、気候によっても変化します。

春が最も平均発電量が多いと言われており、反対に冬が最も少なくなる傾向にあります。夏は、日照時間は長いですが高温によって発電効率が低下するため、春より発電量が少なくなります。時間帯に関しては、日照が最大となる12時ごろが最も発電量が多くなります。

太陽光発電の発電量を上げるためにできること

太陽光発電の発電量を上げるためには、日照量を最大化し、損失係数を最小化することは言うまでもありません。

日照量の最大化のためには、設置の段階で可能であれば南向きに設置をし、太陽光を遮るものがない場所を選びましょう。

損失係数の最小化のためには、定期的にメンテナンスを行うことが大切です。発電設備のパーツが劣化すると出力に損失が生じるためです。また、太陽光パネルに汚れがつくと、発電量の損失につながってしまいます。鳥の糞や落ち葉などの汚れも発電量の低下につながってしまうため、定期的な掃除も必要です。

まとめ

太陽光発電の発電量について理解を深めることで、導入前のシミュレーションがより正確なものになり、導入後の経済効果をより高めることにつながります。太陽光発電システムの導入を検討する際には、発電量についてなるべく正確に見通しを立ててみましょう。

正確な発電量の計算には、業者への依頼やツールの利用が不可欠ではありますが、理解をしておくことはとても重要です。

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