ないとどうなる?チャージコントローラーの役割とは

チャージコントローラーは太陽光発電システムに必要な機器ですが、ことば自体馴染みがなく、その種類や役割はあまり知られていないようです。チャージコントローラーは太陽光発電の効率と安全にかかわる機器のため、理解しておくにこしたことはありません。この記事では、概要や役割をご紹介します。

チャージコントローラーとは

チャージコントローラーは、家庭用の太陽光発電システムにおいて「バッテリーへの充電・放電の管理」を行う機器です。太陽光発電システムに必須の機器であり、さまざまな役割を担っています。
チャージコントローラーは、大きく分けるとPWM制御方式とMPPT制御方式の2種類になります。

安価で一定の効率で充電可能なPWM制御方式

PWM制御方式のPWMは「Pulse Width Modulation(パルス幅変調)」の頭文字をとったもので、電気の波である「パルス」の幅を調整して、電圧と電流が一定に発生するようにコントロールする方式です。

バッテリーや負荷の電圧に影響されることなく一定の効率で充電でき、後述するMPPT制御方式と比べ安価であるという特長があります。気象条件によってソーラーパネルの最適動作電圧は変動しますが、PWM制御方式は一定の効率で充電するため、最大効率で充電できない点が、デメリットになります。

高価だが高効率で充電可能なMPPT制御方式

MPPT制御方式のMPPTは「Maximum Power Point Tracking(最大電力点追従)」の頭文字をとったもので、最大電力点追従制御方式を用いたチャージコントローラーのことを指します。
最大電力点追従制御とは、ソーラーパネルが発電する際に最大効率で出力できる電流×電圧の値を自動で求める制御のことです。
太陽光発電システムの最適動作電圧は気象条件によって変動しますが、MPPT制御方式であれば自動的に最大出力を得られる点が最大のメリットです。デメリットは、PWM方式と比べて高価な傾向にあることです。

チャージコントローラーの役割は?ないとどうなる?

チャージコントローラーの代表的な役割は、過充電・過放電を防いでバッテリーを保護することです。

過充電・過放電の防止

バッテリーの電圧には上限があり、バッテリーにソーラーパネルを直結すると、十分に充電されても電圧が上がり続けてしまいます(過充電)。過充電状態が続くとバッテリーを痛め、寿命が短くなってしまいます。それを防ぐのがチャージコントローラーです。

バッテリーの電圧には上限だけでなく下限も定められており、下限を下回る電圧まで放電(過放電)した場合もバッテリーを痛めてしまいます。チャージコントローラーはこういった過充電・過放電状態にならないよう、充電・放電の管理を行ってくれます。

電流逆流の防止

チャージコントローラーは、過充電・過放電の防止に加え電流の逆流を防ぐ役割も担っています。ソーラーパネルとバッテリーを直接接続すると、昼間はソーラーパネルからバッテリーに充電電流が流れますが、夜間にはバッテリーからソーラーパネルに電力が逆流してしまい、無駄な電力を消費してしまうことになります。これは電圧の高い方から低い方へ電流が流れるため起こる現象です。

チャージコントローラーがあれば、ソーラーパネルの電圧がバッテリーの電圧よりも低くなった場合は回路を切断し、電力の浪費を防止してくれます。

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チャージコントローラーを選ぶポイント

チャージコントローラーの選定において最初に考えるべきポイントは、使用するソーラーパネルの発電量(W)とバッテリー容量とのバランスです。チャージコントローラーの基本的な性能を表す値として「A(アンペア)」の表記がありますが、これは大きければ大きいほどよいというわけではありません。この値は、ソーラーパネル側の発電量とバッテリー容量とのバランスを基に選ぶ必要があります。

使用するソーラーパネルの発電量とバッテリー容量に対して「A」の値が小さすぎる場合、充電に時間がかかりすぎてしまい、発電性能が十分に発揮できなくなってしまいます。逆に大きすぎる場合、チャージコントローラー自体も電力を消費するため、余計な電力を消費してしまい、発電量のロスにつながります。
一般的に、容量の小さいチャージコントローラーは消費電力も少なくなり価格も安くなるため、大きすぎるよりは適した容量のものを選定しましょう。

ポイントとしてまとめると以下のようになります。

  • 発電量とバッテリー容量のバランスを考え、許容日数以内に必要量が蓄電できるようにする
  • 発電量とバッテリー容量から「A」を想定した上で、大きすぎず、小さすぎないチャージコントローラーを選定する(例えば、想定されるのが4.2Aなら10Aのチャージコントローラーで十分と考えられる )
  • 液晶の有無によりチャージコントローラー自体の消費電力も異なるため、発電量などとのバランスを見て選定する
  • 制御方式はPWMかMPPTかを選定する(家庭用の場合、一般的にはPWM制御方式が多いとされています )

まとめ

チャージコントローラーは、太陽光発電システムを安全に効率的に運用するための機器です。あまり馴染みがなく、しっかりと計算した上で導入していないケースもあるかもしれませんが、ソーラーパネルとバッテリーに適したチャージコントローラーを設置していないと、発電効率の低下につながる可能性があります。

太陽光発電の効果をより高めるために、チャージコントローラーにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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